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出会い

ウェアは人間の住む街までやってきました。

「『エコ』はどこモカかな」

「人間の街には土が無いモカね」

「ここには木や花は育つモカか?」

森との違いに不安になり、だんだん寂しくなり始めたウェアはひとりごとばかり。

「この曲がり角の向こうもどうせ同じモカ……」

でも、コンクリートの角を曲がった先に見えたのは、赤や黄色、白や紫と、色とりどりの花が咲く建物でした。

「あっ! お花がいっぱいあるモカ! 赤いお花もあるモカ!」

「ここでもちゃんとお花が咲くモカね♪」

03

ウェアは小さな尻尾をくりんくりんと振りながら花に近づきました。花の間に鼻を埋めたウェアは、「あれ? でも、この赤いお花は土とつながってないモカ……」と、びっくりして小さく鳴きました。

その声を聞いて奥から人間が出てきました。

「うん? あなた……どうしたの? こんなところで」

あっ、人間……。ウェアは心臓の動きが速くなるのを感じました。

(大丈夫、大丈夫……。赤いお花も一応あったモカ。人間も『エコ』だモカ)

ぎゅっと『夢のボトル』を握りしめました。

「お花が欲しいの?」

「お花? お花はまだ森にいっぱいあるモカ」

「そう。それはいいわね。『モカ』って口癖?」

「モカ。森の仲間はみんな口癖があるモカ。ひつじの中でも『モコ』『モナ』っていう子もいるモカ」

仲間のことを口にしたウェアは少し呼吸がゆっくりになってきました。

「へぇ、そうなの。なんだか楽しそうね。それで、なぜあなたは森から出てきたの?」

「えっと、『エコ』を探しにやってきたんだモカ」

「『エコ』?」

「モカ。『エコ』で森が元気になるモカ。長老が人間に教えてもらえって」

「そうかぁ。でも、『エコ』って言われてもなぁ」

「えっ? 人間でも『エコ』がわからないモカか?」

「う~ん、そうねぇ。わからないというか、何を『エコ』と言うかってちょっと難しいのよ。人によっても違うだろうし」

「???」

ウェアはよく分からず、首をかしげました。

「あら、そんな顔しないでよ。私の場合は……そうねぇ、電気をマメに消したり、ゴミをちゃんと分けたりとか、そんなことかなぁ」

「そうなの? それが『エコ』モカか? やっぱり人間は知ってるモカね!」

ほっぺたをピンク色に膨らませて、ウェアは大喜びです。

「あら、あんまり期待されても困るけど、まぁ、多分ね」

「ねぇねぇ、じゃぁ、『エコ』させて欲しいモカ」

「えっ? 『エコ』をさせて欲しいって言われても……」

「どうしても『エコ』したいモカ。森を元気にしたいモカ」

「もう、そんなかわいい目で見つめないでよ。う~ん、じゃぁ、私のおうちに来てみる?」

「モカ! 『エコ』とか人間の世界のこと教えて欲しいモカ!」

「そう。勉強熱心なのね。では、今日からよろしくね。モコモコのパートナーさん」

「パートナー? そうか! パートナーだモカ!」

長老に言われた言葉を思い出し、ウェアの瞳が輝きました。どうやらこの人間はいいひとみたい。ウェアの胸が高鳴ります。

「ところで、あなたお名前はあるの?」

「ウェアだモカ」

「ウェア? ふ~ん、聞きなれない名前ね。でも、ステキよ」

「うれしいモカ。じゃぁ、お姉さんのことはなんて呼べばいいモカか?」

「そうねぇ、お花屋さんの『はなちゃん』でどうかしら」

「わかったモカ。はなちゃんと呼ぶモカ」

こうして、森から出てきたウェアは「はなちゃん」と名乗る女の人と出会いました。

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