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初めての『エコ』

パチッ。はなちゃんが部屋の電気をつけました。

「ここがはなちゃんのお部屋モカか?」

「そうよ。ちょっと狭いけど、なかなか片付いてるでしょ?」

「はなちゃんのお部屋しか知らないからわからないモカ」

「それはそうね」

はなちゃんはそう言うと、ソファーに腰をおろしました。ウェアもつられてソファーに腰掛けます。いつものようにテレビのリモコンを手に取り、はなちゃんはボタンを押しました。

「あれ? テレビがつかない。電池切れかしら?」

リモコンから電池を取り出し、電池を両手で暖めてからもう一度入れました。そして再びボタンを押しましたがテレビはつきません。

(何をしてるモカ???)

「あっ、そうだ」

はなちゃんはちょっと大きめの声を出しました。

「???」

ウェアは、はなちゃんの顔を見上げました。

「昨日の夜、テレビで『エコライフは主電源から』なんてやってたから、柄にもなく電源抜いたんだっけ」

はなちゃんは手を頭にのせて苦笑い。

でも、ウェアには別のことが大事だったようです。

「エコライフ? エコライフって『エコ』モカか?」

「あぁ、そうだったわね。ウェアは『エコ』をしに来たんだったわね」

「モカ。『エコ』をすると、このボトルに『森のしずく』がたまるモカ」

と言って、長老にもらったボトルを誇らしげにかかげました。

「へぇ、とても透き通ったボトルね。いいもの持っているわね。それで、そう、エコライフの『エコ』は、あなたが探している『エコ』だと思うわ」

「やった!『エコ』をひとつ見つけたモカ!」

ボトルを小さくふりふりすると、ウェアは熱心にはなちゃんの顔を見つめます。

「よかったわね。私は便利な方がいいからあまり主電源は切らないし、ときどきテレビもつけっぱなしなんだけど、ウェアが『エコ』したかったら、こまめに電気を消したり、主電源を切ってくれたりしていいわよ」

「ありがとうモカ! はなちゃんは優しいモカ!」

「優しいかどうかわからないけど。こちらこそ♪ お役に立ててうれしいわ」

04

「じゃぁ、さっそく電気を消すモカ」

「ちょっと、ちょっと。それじゃ何もできないじゃない」

「??? 森に電気は無いモカ。暗くても大丈夫だモカ」

「確かにあなたは大丈夫かもね。でも、人間の私は困るの」

「そうモカか……。ごめんモカ」

ウェアは申し訳なさそうに、モフンと毛を縮こませました。

「ごめんごめん。そんなつもりは無かったんだけど。そうよね。ウェアは早く『エコ』がしたいんだよね」

「モカ……」

「そうねぇ、それならちょっとお部屋の片付けしようか」

「片付けは『エコ』モカか?」

「片付け自体は違うかも知れないけど、ゴミを分けて整理するのはきっとエコよ」

「へぇ、ゴミを分けるのが『エコ』モカか! それはさっそくやっていいモカか?」

「ハイ! どうぞ♪ でも案外奥深いのよ」

はなちゃんに教えてもらってウェアは、古新聞や雑誌、空き缶、空き瓶などを片付け始めました。

「森が元気になるモカ~♪ ごほうびに近づくモカ~♪」

鼻歌交じりです。

「うん? ごほうび?」

「モカ。がんばってしずくを集めて森の木を育てたら、長老が『ごほうび』をくれるモカ」

「そうなの。それはいいわね。森も元気になるし、ごほうびももらえるし、一石二鳥ね」

「そうだモカ」

「森! 森! ごほうび! ごほうび!」

ウェアは念仏のように唱えています。

「ふふふ。モリモリごほうびが欲しいみたいね」

無邪気なウェアをみてそう微笑むと、はなちゃんもついついつられて(ウェアの故郷の森が元気になりますように)と、心の中でつぶやきました。

「終わったモカ~~」

ウェアのひたいに汗がにじみます。

「ありがとう、ウェア。キレイにしていたつもりだけど、ゴミって意外とあるものね」

初めての『エコ』が終わったので、ウェアはボトルを取り出し眺めました。何が起こるんだろう。まばたきもせずにボトルを見つめているウェアの頭越しに、はなちゃんも楽しそうにのぞき込んでいます。すると……

「ぴちょん」

どこからともなく、森のしずくがボトルの中に1滴落ちてきました。ウェアとはなちゃんは顔を見合わせました。

「あぁ!! やったモカ! これがしずくだモカ! やっぱりゴミの分別は『エコ』だったモカ。はなちゃん、ありがとモカ!」

「うん! よかったわね」

「ねぇねぇ、他にも『エコ』はあるモカか?」

「どうだろう、例えば……そこのベランダにある植物を育てるのもちょっとしたエコっていえるかもしれないし、街のゴミを拾ってキレイにするのもエコかもね。あぁ、値段が少し高いんだけど、有機野菜を買うのもそうかもしれないわ」

「やった、いろいろあるモカね。次はどの『エコ』するモカか?」

「あっ、でも、今日はもう遅いから寝ましょう。明日、私はお仕事だから、お花の水やりを一緒に手伝ってもらえるとうれしいわ」

「わかったモカ。お花を育てるのは『エコ』モカね」

「ふふ。そうだといいわね。きっと、そのステキなボトルが教えてくれるわ」

ウェアはたくさんある電化製品のコンセントを抜いてから、はなちゃんのベッドにもぐりこみました。

「あなた、なんだか懐かしいにおいがするわね」

「そうモカか?」

「うん。なんだか安心するわ。じゃぁ、おやすみなさい」

「おやすみモカ」

ふたりが眠りにつき、静まり返った部屋の中。

「ぴちょん」

しずくのたまる心地よい音が響きました。

その夜、ウェアは赤い花の咲く夢を見ました。

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コメント

とてもよいお話ですね。
私のお店でも、エアコンの温度やオン、オフをこまめにチェックして少しでも節電の役に立てばと思い実施をしています。
夢のボトルのように、エコをした実績が目に見えると良いですね。
マイブログのお気に入りにリンクさせて頂きました。

コメントどうもありがとうございます。
物語も気に入っていただいてうれしいです。

そうですよね、「目に見える」と良いですよね。

今日から順次公開しますが、現在進んでいる夢のボトルプロジェクト第1弾では、これが目に見えるようになるサービスをコンセプトに作っております。

ご縁があればこちらのサービスも見ていただければ嬉しいです。

はなちゃん ヾ(*′○`)゚.+:。゚☆こんばんわぁ~☆
本当に多くの方が、自分からエコの大切さが分かってくれると良いですね。
一人ひとりのちっちゃなエコが大勢で行えば大きくなりますものね。
私も気をつけていきますね。
こんなエコも在るよ、ということをいっぱい書いてくださいね。

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